2022年12月8日発行 西の風新聞掲載
「健康『腸』寿」の第1回では、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンについて書きました。そのほとんどが腸で作られるため、善玉菌を生き生きさせ腸内環境を良好に保つことが大切で、人は善玉菌が喜ぶ食べ物を食べ、善玉菌に健康を還元してもらうといった共存関係にあることをお伝えしました。
第2回では、健康長寿を実現している地域の人々の共通点を紹介。野菜をよく食べること、そして善玉菌の中でも特に酪酸菌が腸内に多いことをお伝えしました。
第3回の今回は、日頃の食事で心がけることと、どんな物を食べると良いのかを紹介します。
『低脂肪』
脂肪の多い食事は大腸がんのリスクを高め全身のがんを誘発するので、できるだけ避けるのが望ましいです。
肉は鶏肉がベスト。ムネ肉やササミなど脂肪の少ない部位を選ぶと良いでしょう。ちなみに鶏肉も皮は脂質が多いので気を付けましょう。
『適たんぱく質』
たんぱく質は体の中で水分に次いで割合が多い栄養素であるため不足しないように心がけることが大切です。
必要量は年齢や性別によって違い、厚生労働省で摂取基準が定められています。たんぱく質といえば肉を思い浮かべますが、動物性のたんぱく質は脂質が多いため、植物性のたんぱく質を積極的に摂ることがおすすめです。
特に豆類に豊富に含まれており、納豆、枝豆、豆腐などはおすすめです。ちなみに大豆製品であるみそは植物由来の乳酸菌も摂取できるためいいことずくめです。
『高食物繊維』
食物繊維は腸内の善玉菌が好むエサとなります。次に挙げる食べ物は食物繊維が豊富なため積極的に摂取しましょう。
海藻(ひじき、昆布、わかめ)、豆類(大豆、小豆、インゲン)、きのこ(シイタケ、エノキ、マッシュルーム)、イモ類(ジャガイモ、里芋、さつまいも)、穀類(玄米、大麦、全粒粉パン)、果実(リンゴ、キウイ、ブルーベリー)。
体は食べたものでできています。低脂肪、適たんぱく質、高食物繊維を意識した食事で、健康寿命を延ばしていきましょう。
皆さんの健康長寿のお役に立てましたら幸いです。