2023年6月8日 西の風新聞掲載
今年も梅仕事の時期になりました。自家製の梅干しや梅酒などをつくる方も多いと思います。今回は梅干しが腸内環境に及ぼす影響についてお伝えします。
クエン酸
梅干しに豊富に含まれるクエン酸は、疲労回復に役立つ成分として広く知られています。カルシウムの吸収を助ける作用があるともされ、カルシウムを豊富に含む食材と一緒に食べるのもおすすめです。
腸の調子を整え、腸のぜん動運動を活発にする作用があり、消化 にも役立ちます。
カテキン酸
梅干しに含まれるカテキン酸はポリフェノールの一種で、強い抗酸化作用や殺菌作用、抗菌作用などが期待される成分です。食物の品質維持や食中毒の予防などにも利用されているほどです。
またカテキン酸は、腸内の善玉菌を増やしつつ、悪玉菌が増えるのを抑える作用があり、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスが整うことで腸の働きが促され、便秘解消が期待できます。
植物性乳酸菌
梅干しに含まれる植物性乳酸菌は腸内の善玉菌のえさとなり、腸内環境を整える作用があるとされる成分です。塩分や酸などが強い環境で育つ乳酸菌のため胃酸に強く、生きて腸まで届く乳酸菌と言われています。
梅流し
「梅流し」とは、大根と梅干しを煮て、煮汁ごと残さず食べることで胃腸の働きを促す食事療法です。そもそも大根には、便を柔らかくする水分をはじめ、便のカサを増やす食物繊維、胃腸の働きを助ける消化酵素、善玉菌を増やすビタミンCが含まれており、便秘解消に効果が期待できる食材として知られています。梅干しと大根を組み合わせることで、より高い便秘解消効果が期待できます。
最近は20代以下の梅干し消費量が70代以上の5分の1に減っているというデータもあります。梅干しの良さを改めて見直してみたいですね。
今年の夏も暑くなりそうです。暑さで食欲がない時、腸の働きを促すのに梅干しが役に立ちます。腸を元気にして夏バテと縁のない夏を過ごしましょう。